2015年6月25日木曜日

それ、本当に必要?

こんにちは。

厚生労働省のホームページからの引用です。

Q:一般就労に移行した利用者が、当該就労を行わない日に日中活動サービスを利用することはできるか?

A:基本的に、障害福祉サービス利用者が一般就労に移行した場合、その後は利用しないと想定される。
しかし、現実は非常勤のような形態によって一般就労する利用者もおり、このような利用者については、就労先が認め、かつ市町村が認めた場合、日中活動サービスの利用が可能である。
この場合、各利用者の状態によってその必要性を市町村は精査する必要がある。

これが平成19年12月に厚生労働省から出た通達です。
この結果、かなりの市町村で就労移行やB型利用者(場合によってはA型も)がアルバイトを認められています。
ところが、一部地域では、これを厳格にとらえ、アルバイトを禁止している市町村がある。広島市およびその周辺はその傾向が強い。中には一時就労の際に強制退所させ、再度利用申請を出しなおさせた自治体もあるほどです。

一方で、雇用する側も副業禁止が徹底している古い体質のところが多いです。というより、
新しい働き方を拒む
風土が一部にみられます。

そういう風土のところで盛んなのが
職場の教養
だったり
掃除に学ぶ会
だったりします。

掃除に学ぶ会については、地域有力企業が積極的に取り組んでいた地域で勤務していたこともあり、私も賛同していました。もちろん進んで私も参加していました。汚い話で申し訳ないのですが、
私は素手で便所を掃除します

この「掃除に学ぶ会」の実践活動は、実はY's Dreamでも行っていました。トイレ掃除は今でも素手で行っています。
ただし実践活動をしていたのは私とごく限られたスタッフだけでした。このスタッフは当時20代前半と若く、職を転々として私のところに来た方で、訓練の意味を兼ねてトイレ掃除をさせたので、どちらかといえば例外です。
さらに「職場の教養」も一時期入手して、音読していました。しかしこれも取り組んだのは私だけでした。
トイレ掃除も職場の教養も自分の気持ちを引き締めるだけの目的であり、これを他人に押し付けるのは「お躾(=押し付け)」になり、逆効果になります。
なお、トイレ掃除の後は必ず消毒しています。

ここで出てきた言葉、
お躾
私の両親はこれを推進しています。

嫌がる社員に無理やり「職場の教養」を輪読させるのはいかがなものでしょうか。
調べてみると、「倫理研究所」なる一般社団法人が主体ですが、実は
新興宗教とつながりがあるのです。
ちなみにここと同根の新興宗教はパーフェクトリバティー教団、PLです。あのかつての野球の名門、PL学園の母体なのです。

ソウス
上記ソウスより
(ここまで省略)…『職場の教養』に収録されたエピソードは、どれも、
・所属団体への忠誠(自分か団体かという場合には団体を選ぶ)
・分をわきまえ、自らの仕事に誇りを持つ(自分の枠からはみ出さない)
・よき家庭人になる(ここでも「家族」という集団への帰属が優先される)
・創意工夫の大切さ(ただし。あくまで集団内部における自分の職務を全うするためのもの)

といった傾向が見て取れる。こういった、江戸時代の石田心学から続いているような、実践的な「修身」「道徳」が、ここまで判りやすく説かれている本は、今では滅多に無いだろう。(中略)こういうものを、いい大人が毎朝唱和し、会社によってはその日の担当が感想まで述べるのである。(中略)こういう平板な、底の浅い教訓・訓話であっても、それを毎日毎日読まされれば、いやでも少しずつ刷り込まれて来る。一つひとつは馬鹿にして聴いていても、1年も同じことを繰り返していれば、馬鹿にしていたはずの規範がいつのまにか自分の思考経路の、割合と大きな部分を占めていることに気づくだろう。これを「洗脳」というのだが(笑)、企業経営者からすれば、毎朝読ませるだけで少なからぬ社員が従順な企業人に変化してくれるのだから、こんな有難いものはない。(以降省略)

引用ここまで

正直言います。
このような道徳論に終始した企業、もう
時代遅れ
の一言に尽きます。
今はこういう道徳論に終始した経営で激しい競争に勝てる時代でしょうか。

それだけではありません。
働き方も多様化しています。
個人個人が「個人事業主」として、会社と対等の関係を築く必要がある時代です。アメリカから中国まで、そのような意識で働いている人がほとんどです。日本でもこの意識で働く人が増えつつあります。私もそのような意識で働いています。
このような道徳論が主流の国が世界で一つだけあります。それは
韓国
です。
韓国といえば儒教の国です。
しかし、その韓国は今行きづまりの様相を呈しています。背景にあるのが
儒教の縛りの結果、柔軟な対応ができない
という問題です。いい例が今問題になっているMERSであり、昨年起きたフェリー沈没事故なのです。
儒教に基づいた国、清は滅び、中華人民共和国になりました。日本もどん底の20年を経験しましたが、背景には儒教的価値観がありました。そして今、韓国が行きづまりの様相を呈しています。
早い話、儒教的価値観は時代が必要としなくなりました。もはや宗教の世界であり、一種の「ユートピア(理想郷)」なのです。
それにしがみつくことが、はたして幸せなのでしょうか…

そして、この「宗教」にしがみつくことによって、ある人は心の平安を保てる半面、その犠牲を払う人の苦しみはいかほどでしょうか…

2015年6月24日水曜日

行政が壁を作っている

こんばんは。

何ということか…
就労移行支援施設を利用するにあたって、市町村が審査を行うのだが、その結果
却下

理由は
必要性が低い

利用するに当たっては、現在受けているバルーン関係の仕事を全部断り、かつ、それ以外の仕事も辞める必要がある
との結論。

まさかの展開に、関係者一同困惑。
バルーンはこれまで築いてきたものであり、一種の資産。
これを再活用して、今後の就労に生かそうという考えで、関係者がみんな動いていた。
それを行政が否定し、覆した…


さらに、問題点はこれだけではない。
(厚生労働省のホームページより)

○ 就労定着支援体制加算【新設】
一般就労への定着支援を充実・強化するため、基本報酬の見直しを行った上で、現行の就労移行支援体制加算を廃止し、利用者の就労定着期間に着目した加算を新たに創設。
※就労継続支援A型に移行した利用者は、就労定着実績には含まない
○ 一般就労への移行実績がない事業所の評価の見直し
一般就労移行後の就労定着実績がない事業所の減算を強化するとともに、一般就労への移行実績がない事業所に対する減算を新たに創設。
※就労継続支援A型に移行した利用者は、就労移行実績及び就労定着実績には含まない


ソウス

問題点は上記ソウスに書いてあるので、そちらをご覧いただければと思う。結論だけ引用します。

障害者雇用の主体は企業中心に給料を支払っている側なので、特に数の多い地域になじみやすい企業側(特に中小企業)の受入態勢の強化や実習受入の積極的な企業に支援指導や補助金での支援実施、啓蒙活動等施策としておこなわなければ、障害者雇用(特に精神と発達)の促進には、効果が薄いと感じています。
*たとえば、効果が高い施策とは、実習受入の時間に対し、助成金を時給1500円~2000円程度支給、共に関わることで、仕事をすること、人間関係を形成すること、会社と障害者当事者お互いをよく知る良い機会になり、就職後の就労継続及び雇用継続の実現性は、かなり高くなります。

引用ここまで

この厚生労働省の指針通りで行くと、却下という結論に至るのは必然になってしまう。
一方で「定着支援は3年間必要」となっている。

政策の矛盾を感じざるを得ない

雇いたくても雇えない会社だってある。

加えてこれまで就労移行支援事業所の実績に加えることのできた就労継続支援A型への移行が、実績に加えることができなくなったとある。

ある障害福祉サービスでリワークを行うのがA市ではOKなのに、B市では不可という状況が発生(B市には、病院が多かったり、特定の受託機関に委託など)します。また、各県、市区町村での障害福祉サービス利用申請が多いと財政負担があるという事実もあります。
(上記ソウスより引用)


このような問題も起きているのが現状である。

結局、必要のない財政負担を回避するために、本当に必要な人に必要なサービスが提供できないような仕組みができてしまう。
これが障碍者福祉サービスの現実です。

現実問題、障碍者福祉サービスの不備を理由に、転居する人さえ出ているのも事実。
さらに
行政による排除
まで起きている。

しかし、問題の根源をたどっていくと、財源不足にまでたどり着いてしまう。

これ以上書くと堂々巡りになるので、ここで今日は終わりにするが、情けない現実が目の前に横たわっているのもまた事実。
これも厚生労働省のページがソウスなのだが、ブライダル関連企業Aやエンターテイメント関連の人材育成企業Mが「障害者雇用の意思なし」として公表されていた。なぜこのような問題が起きるのかについては、改めて記事にする。

2015年6月14日日曜日

「悔しい」「屈辱」のその先にあるもの

こんにちは。
今日はいろいろお題があります。
まず「乗りたくないバス」について。

今日、廿日市市内をこのバスが走っていました。
今日廿日市市では「みやじまパワートライアスロン」が開催されていました。
厳島神社のすぐそばをスタートし、対岸のホテルそばにある専用桟橋に上陸した後、自転車で廿日市市内を駆け抜け、中国山地に入り、吉和にある「魅惑の里」という休業中のリゾート施設まで走ります。そこから吉和を巡って、最後はめがひらスキー場のゴールを目指します。
開会式は今年は違いましたが、最近まで競艇場の大ホール、コースは新聞工場あり、住宅団地あり、果ては火×場の前まであり(右折ポイントがあり、そこを直進してしまうとコースを間違えると火×場に進入してしまう…おまけにそこが「関門」だったこともあったらしい)、何でもありのトライアスロンコースです。しかもキャッチフレーズは「ウッドマン」。確かにスポンサーが「ウッドワン」ですが…廿日市市は日本有数の木工都市です。

先ほどの「関門」という言葉がポイント。関門海峡とは何ら関係がありませんが、これ、出場選手にとっては一番嫌な存在です…
リタイア収容バス

早い話、「関門」を制限時間を越えてしまった場合や完走を断念した場合にこれに乗せられてゴール地点に向かうものです。トライアスロンですので、自転車は別に「回収トラック」が用意されています。
私の住まいのすぐそばをこの「リタイア収容バス」が走っていきました。地元のタクシー会社のバスで、それこそ火×場に向かうことが多いバスです(路線バスのような車ではありません)。
リタイア収容バス→クヴェーレ
とありました。この「クヴェーレ」はゴール地点に隣接する温泉施設です。
ネットで調べてみると、収容バスの雰囲気はまさに
火×場へ野辺送りに向かうバスに近い
そうです。ゴール地点についたところで、完走者のような達成感はなく、悔しさだけが募るでしょう…どのブログも「悔しい」「屈辱」という言葉ばかりでした。そして次の大会は
もう二度とあれには乗りたくない
という気持ちになるそうです。

そして私が「悔しい」「屈辱」と感じるとき…
バルーン演出に失敗したとき
です。
しかしたいていの人は、これをされたら「悔しい」「屈辱」と感じることはないでしょうか。

今年のゴールデンウイーク、広島市内のとある路面電車の電停に、一枚の名刺が落ちていました。見ると、とある若い女性の微笑んだ顔写真ととある結婚式場の名前が…
ゴミと同じように投げ捨ててありました。
私はこの名刺を拾い、しばらく保管して、この結婚式場に出入りしている私の知り合いの司会者の方に渡しました。

名刺を捨てる、という行為、いったい何を意味しているのでしょうか。
その人に対して最大限に失礼極まりない行為です。
おそらく、結婚式場を見学して、「ここはダメだ」と判断されて名刺を捨ててしまったのかもしれません。
名刺を捨てられた女性は、今年入社したばかりの新人ウェディングプランナーさんだったそうです。彼女は彼女なりに頑張って営業をしたに違いありません。しかし「何がしたいのかわからない」と判断されて、名刺を捨てられてしまったと思われます。

今日、トライアスロンの喧騒を避けるため、私は路面電車に乗って散策し、この結婚式場の前を通りました。この結婚式場は最近まで本番の結婚式が多かったようですが、今日はブライダルフェアをしていました。そして
彼女が先輩にアドバイスを受けながら、必死に新規カップルを獲得しようと努力しているのを目の当たりにしました。

近くで様子を見ていた別のチーフ格と思われる女性ウェディングプランナーさんと名刺の一件について話をしました。同時に今のブライダル動向についても話をし、危機感を感じていたようです。そして名刺を拾って、知り合いの司会者さんに届けたという話を聞いて、大変感謝されました。

名刺を捨てられたという事実、彼女は知りません。
しかし、私は彼女を応援しています。
絶対一人前の感動を作り上げられるウェディングプランナーさんになってほしいです。


悔しさ、屈辱のその先にあるもの…それを乗り越えた時のものすごい達成感…でしょう。

日々の仕事でもそうではないでしょうか。
ただ単に「こなす」仕事をしている場合、「悔しさ」「屈辱感」を味わうことは少ないと思います。
そういう仕事も仕事です。しかし、ウェディングプランナーさんにとっては一組一組がやり直しのきかない真剣勝負です。私もそのような仕事を長年してきました。バルーン演出を失敗して「演出事故」になり、返還欠場になった時の「悔しさ」「屈辱感」…一方で体中を突き抜けるようなものすごい達成感を味わったこともあります。

しかし、就職活動では何十社、場合によっては100社以上に応募書類を出すこともあります。全部の会社に不採用になっても、全部に「悔しさ」「屈辱感」を感じていたら、それこそきりがありません。ただ私は不採用通知と返送された履歴書は近くの火×場のわきにある焼却場にまとめて持って行って処分していましたが…

最後に、今年は若干「みやじまパワートライアスロン」が例年より早かった。ここ数年6月末の風物詩だったが…競艇場の大ホールも使わなかった(ここ数年使っていないらしい)…その理由は
6月最終週に宮島競艇場でSGグランドチャンピョン選手権があるから

宮島口の複数のホテルがトライアスロン選手の指定宿舎になっているが、SGともなると全国から「競技としての競艇」を見に来る人が殺到する。全国から来るトライアスロン選手と競艇ファンを同時に受け入れるだけのキャパシティが宮島口にはない。先日AKB総選挙が行われた福岡ほどではないにせよ、大混乱になるのは必至で、しかも広島市は負の世界遺産である原爆ドームがあり、加えてカープ人気で、ホテルのキャパシティが不足気味。APAが巨大ビジネスホテルを広島駅の近くに建設中であるほどである(これでようやく広島市内のホテルは需給バランスが取れそう…一時は供給過剰が言われていたが、インバウンド旅行者とカープ需要の増加がそれだけ大きい)

2015年6月11日木曜日

就労移行?A型?B型?

こんにちは。

今日は見出しについてまず考えます。

ソウス(ウイングルさんのサイトから)
就労移行支援事業所の対象が一般企業への就労を希望する障害のある方なのに対し、就労継続支援A型事業所・就労継続支援B型事業所では、一般企業への就労が困難な障害者に就労機会を提供することを目的としています。
就労継続支援A型事業所と就労継続支援B型事業所では、生産活動を通じて知識と技能が向上するよう適切な訓練を実施することは共通していますが、雇用契約の有無が両事業所の違いとなります。



引用ここまで

就労継続支援A型…就労移行を利用してダメだったり、特別支援学校を卒業して雇用に結びつか無かったり、企業などで働いていた人が退職して現在雇用されていない人などが対象。
就労継続支援B型…一般企業への就職が体力的・年齢的に厳しい人、就労移行支援を利用したときにB型が向いていると判断された人、50歳以上で障害年金1級をもらっている人などが対象。

利用定員が21人~40人以下の場合
就労移行支援事業…報酬単価¥742
就労継続支援事業A型・B型…報酬単価¥522

A型…月額68691円
B型…月額14190円
平成24年度の実績


広島には就労移行支援事業所でありながら、時給600円を支給しているところもあるようです。
出典:STIR{ウイングル発行の機関誌}2013年2月号より
※前出のソウスから「障害福祉マガジンSTIR」へのリンクあり。


一応行政的区分ではこのようになっています。
B型の事業所から一般就労するケースもありますが、この場合「地域障碍者支援センター」や障碍者就業・生活センター、いわゆる「中ポツ」が重要な役目を果たします。
一方、就労移行支援から就職した場合、その後のケアは出身の就労移行支援施設が担当しますが、就職後6か月が経過した時点で「定着」となり、当該施設への支給額が加算される仕組みになっているようです。
一方で就職者が1人も出なかった場合、就労移行支援からB型へ移行するケースも出ているのが現状です。
※私自身、複雑なシステムゆえに全体像が理解できていません。この記述に誤りがある場合はコメントにてご指摘していただければ幸いです。

こうしてみると、今の行政の支援形態が就労移行支援施設の乱立と競争激化を招いているというような気がします。
前出の時給600円を支給している就労移行支援事業所はB型を併設しているようです。
この施設が運営しているお好み焼き屋さんやパン屋さんを私は訪問したことがありますが、
本格的で、一般の店と何ら遜色ありません

お好み焼きのいえ・ベーカリーノイエさんのページ

幸いここは広島で、私が目指している精神・発達障碍者の自立支援とバルーンの融合という課題にとって、良いお手本になっています。(逆にお手本となるバルーンショップは県境をまたぐか、車で2時間走るかしないとたどり着きませんが…)
こうしてみると、広島というところは発達障碍者への支援という面では急速に充実してきた、という印象がします。

おそらくバルーンを活用した障碍者の社会参加という課題は、B型の枠の中でで取り組むことになるでしょう。
就労移行支援という枠に収まらないのは確かなようですが、ノイエさんといういいお手本が広島にはありますので、参考にしていきながら取り組んでいきたいです。

あと私は福祉についてはずぶの素人、勉強しなければならないのは事実です。先日東京でフラワーアレンジに取り組むB型の施設を見学させていただきましたが、フラワーの専門の指導員さんと福祉の専門の指導員さんがうまく協力し合っていました。そういう面でも勉強しなければいけないことがあります…

私は発達障害の当事者である一方、その障害を克服するためにバルーンを生かそうとしていて、その経験を同じ障害に苦しむ人たちの社会参加に役立てたいが故、今取り組んでいるのです。
この活動自体、行政がはめた枠に収まらないのは明らかですが、その枠を取り払おうという動きが、就労移行支援業界で始まっているというのは本当に心強いと感じています。そのためにも可能性のありそうな障がい者を囲い込もうとするような行為は排除すべきです。その結果障害が悪化している人も出ているようですから…