2014年11月5日水曜日

職業人と組織人の違い

おはようございます。
今週末は天気も悪く、ぱっとしませんでしたので、勉強に充てていました。
そしていろいろなことを考えていました。

そしてある答えにたどり着きました。

職業人として求められることと
組織人として求められることは
別々である

そして当然のことながら
それぞれの評価の尺度も異なる
ということに。

よくこのような話を聞きます。
会社が成長するにつれて社員、特に中間管理職に求められる能力も変わる
会社の成長期は優秀な成績を上げることが重要
会社があるところまで成長すると
成績以上に人に慕われる力が必要になる

そうなるとおのずと大企業とベンチャー企業で求められる人材は異なってきます。

大企業は順応性の高い人材が求められ
ベンチャー企業ではスキルの高い人材が求められる

大切なのは
今自分はどっちを目指していて
今自分が属している組織がどっちに向かっているのか
ということを十分考えて行動することなのです。

だからよく優秀な社員が社風に合わないことを理由に左遷・更迭され、会社を追われるということが起きるのです。
いい例が先日ノーベル物理学賞を受賞した中村博士です。彼は徳島県にある小さな化学会社で開発の仕事に携わっていました。この会社は急成長を遂げましたが、その中で彼はお役御免となってこの化学会社を追われアメリカへ移住し、アメリカの大学で教授となって研究開発に没頭しています。

日本のこれまでの社会は終身雇用。組織への忠誠と引き換えに人生の保証をする社会でした。
今は必ずしもそうではありません。

組織人として優秀なのは、いかにその組織に順応して、組織の中の一員としてやっていけるかなのです。能力は必ずしも必要ありません。
一方職業人として優秀なのは仕事の能力であり、順応性は二の次です。一方で組織がその能力を必要としなくなったらお払い箱になるリスクは大きいです。

全く違う能力をごっちゃにしてしまっていたのが日本の大企業だったのです。

とある発達・精神障碍者向けの就労移行支援施設は、一時期優秀な組織人を育成する方向に向かっていました。その結果この施設の内部は大混乱になり、中の雰囲気は最悪だったそうです。この施設はその後この反省を生かして、必ずしも組織人ではなく、様々な働き方に対応できるようにシステムを改め、雰囲気が大きく変わったと聞きます。

今でも地域によっては「組織人育成」の方向を向いている教育が行われているようです。いい例が関西地区で目立つ「巨大人間ピラミッド」であり、一時期話題になった「居酒屋朝礼を真似した朝の会」です。その結果問題になっているのがブラック企業なのです。

時代が変わった今、必ずしも優秀な組織人だけが豊かな生活を享受できるのではないのです。